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生・おきゃく 2019.06.12 〈Sansan x スマートキャンプ〉生・おきゃくvol.9レポート



生・おきゃく vol.9のテーマは「カスタマーサクセスから見た、顧客起点で始めるマーケティング」。
今回は、それぞれ社内でカスタマーサクセス業務に従事されているSansan株式会社の田中二郎さんと、スマートキャンプ株式会社の品川正之介さんがゲストに登場!

【ゲストプロフィール】
■田中二郎さん
Sansan株式会社 Sansan事業部 カスタマーサクセス部
カスタマーマーケティングアソシエイツ
Sansan株式会社
田中さんTwitter


■品川正之介さん
スマートキャンプ株式会社
Marketing & Sales Div.  Customer Success Manager
スマートキャンプ株式会社


カスタマーサクセスを始める際のポイントや、実践から得られた知見など、それぞれの経験から、生・おきゃくでしか聞けないリアルなお話を語っていただきました。

本稿は、ゲストによる講演、質疑応答およびパネルディスカッション、ネットワーキングパーティーの3部構成でお届けします。

 

自社が提供する“カスタマーサクセス”は何か?を明確に定義する 



Sansanの中でもBtoBサービスの運用支援を行うカスタマーサクセス部で、セミナーやコミュニティの運営を担っている田中さん。2013年にSansanへ新卒入社した田中さんは、4年ほどカスタマーサクセス部へ従事しており、社内で最も長くお客さまと接してきたメンバーの1人だと言います。

「SansanはSaaSかつ、サブスクリプション型ビジネスモデルを採用しています。その中で、よく聞かれるのが『カスタマーサクセスとCSって、何が違うの?』という質問です。その答えは『攻め』か『待ち』か。
CS部門は、問い合わせを受けてそこに対して問題解決をする受動的なスタイルが一般的ですが、カスタマーサクセス部門は “潜在的な課題を掘り出して、それを自社のサービスでどう解決していくか” を能動的に提案していきます。この違いによって、当社でもCS部とカスタマーサクセス部は、別々の部門として存在しており、私が所属するカスタマーサクセス部では、Sansanを導入していただいたお客さまのフォローをしています」(田中さん)

 

そんなカスタマーサクセスが、なぜ今、注目を集めているのかと言えば、Amazon Primeのようなサブスクリプション型のストックビジネスが世に大きく受け入れられるようになり、消費者の購買行動にも変化が出ているからだと田中さんは説きます。

サブスクリプション型、つまり継続利用を前提としたビジネスでは、お客さまに購買いただくだけでは完結しません。いくら新規顧客を獲得したとしても、解約率が高ければビジネスは成長しません。逆に、解約率を下げることができれば、ビジネスは急成長を遂げられるのです。

この流れを受けて、企業のマーケティング活動も変容しています。
マーケティングコストを投下して、新規の見込み顧客を獲得するという従来のマーケティング手法だけでは通用しなくなり、解約率を低く抑えるために、購買後の活用をサポートするカスタマーサクセスに取り組む企業が増えています。

 

田中さんは、来場者に次の質問を投げかけました。「御社のサービスあるいはプロダクトが提供する“カスタマーサクセス”とは、何でしょうか?」

自社の提供する“カスタマーサクセス”を理解できていない企業は、少なくないと言います。
カスタマーマーケティングとは、自社が提供する“カスタマーサクセス”をマーケティングのコンテンツとして活用する仕事です。自社が提供する“サクセス”を明確に定義することから始めましょう」(田中さん)

 

Sansanが実践するカスタマーマーケティング4つの役割



次に、カスタマーマーケティングの4つの役割と、Sansanで行われている具体的な取り組みについて、内容を抜粋してご紹介します。


1.LTV(Life Time Value)を向上させていく
既存のお客さまに対してアップセルやクロスセルを仕掛ける際に、自社のプロダクトの中にマーケティングメッセージを置いてみる。逆に、検討中の新規顧客向けには、別の情報提供が必要。 “お客さまが一番見ているのは、どこか?”という発想を持つことが肝心。

2.プロダクトの価値向上
「お客さまの課題を解決できるプロダクトにしていこう」というマーケットインの思想を取り入れる。お客さまの想いと企業の想い、両者の観点を持ちながら、お客さまの声をプロダクトに反映していくのもカスタマーマーケティングの大切な役割だ。

3.コンテンツの創出
お客さまの声を成功事例としてコンテンツ化することで、マーケティングにも活用できる仕組みを整える。

4.データ活用
お客さまがどういうプロセスで自社のサービスを使っているのか、見えているだろうか。これはカスタマーサクセスにおいて、最も重要な部分だ。あらゆるデータを溜め、それをマーケティングに生かす。


「最終的に目指しているのは、Sansanを導入されたお客さまが効果を実感し、他の方にもSansanを広めていただけるくらいまで、成功していただくことです。既存のお客さまをサクセスさせることが、巡り巡って新規の受注獲得につながるような好循環を生み出していきたいと考えています」(田中さん)

 

スマートキャンプがカスタマーサクセス組織の立ち上げで学んだこと



品川さんがスマートキャンプに転職したのは、2017年、春のこと。
当初、営業が1つのチームだったところから、この2年間でフィールドセールスとインサイドセールスの2つのチームに分かれ、さらにフィールドセールスチームがフィールドセールスとカスタマーサクセスに分かれるという組織体制の変化はあったものの、品川さんが一貫して既存のお客さまを担当してきたことには変わりないと言います。

品川さんが担当しているのは、SaaSベンダーのマーケティングを支援する「BOXIL」。SaaSを導入したいユーザー企業  と、SaaSを提供したいベンダーをマッチングするサービスです。 SaaSの情報サイト「BOXIL magazine」を運営しており、そこから資料請求したユーザー企業の情報をリードとしてベンダーに提供しています。

「Boxilのカスタマーサクセス チームが目指すのは、『BOXILを使ってビジネスを拡大していただくこと』です。お客さまをしっかりと成功に導き、ちゃんとサービスにご満足いただければ、“ずっと使う・もっと使う・人に広める”という行動につながり、最終的にはLTVが最大化されるからです」(品川さん)

 

カスタマーサクセスチームを絶賛立ち上げ中だという品川さん。昨年、直面した課題について、紹介してくれました。

「『カスタマーサクセス サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』の本の中で、最初に出てくる原則『正しい顧客に販売しよう』を痛感しました。“自社サービスの特徴や性質によって、ちゃんとサクセスできるお客さまに販売しましょう”ということです。
逆に、自社サービスでサクセスできないお客さまを受注してしまうと、なかなか価値を提供することが難しく、結果として解約となってしまうお客様も出てきてしまいます。そうすると、顧客獲得・フォローに投じたコストが無駄になってしまいますし、何より、お客様のお役に立てないのが申し訳なく感じていました。」(品川さん)

昨年、まさに教科書通りの失敗をした、と話す品川さん。たくさんの受注が増えた一方で、Boxilの運用がうまくいかないケースが目立ってきたのです。その原因を紐解いてみると、BOXILにフィットしないお客さまを受注していることがわかりました。

「BOXILの場合、サクセスできるお客様の特徴が徐々に明らかになってきました。なので現在はそちらに注力しつつも、幅広いお客様がBoxilを活用できるよう、組織や仕組みも整えているところです。
明らかにサービスとアンマッチなお客様を受注してしまうと、お客様に価値を提供できない → アンマッチが故の特別対応やフォローが必要になる → 本来フォローすべきお客様へ使う時間が減る...と悪循環に陥りがちなので、この点は、特に気をつけることを意識しています。」(品川さん)

 

その反省を生かし、今では既存のお客さまの中で、サクセスしているお客さま、LTVの長いお客さまを分析し、カスタマーサクセス・セールス・マーケティング全体で協力しながら、ターゲットを決めて動いていると言います。

「カスタマーサクセスはお客さまの一番近くにいて、お客さまの情報を一番持っています。それをマーケティングにフィードバックして、連携しながら、一番お役に立てる可能性が高いお客様にマーケティング・新規開拓のリソースを集中させることで、結果的にお客さまの満足度も最大化し、LTVも最大化していけると考えています」(品川さん)

 

カスタマーサクセスがセールスとマーケティングに求めること



最後はパネルディスカッションということで、おふたりに参加者のみなさんから挙がった質問にお答えいただきました。白熱した議論の中から、抜粋してご紹介します。


——Q.カスタマーサクセスとフィールドセールスの役割は、どう切り分けていますか?


品川さん
当社の場合は、契約を締結して申込書を回収したらフィールドセールスからバトンタッチし、すぐにカスタマーサクセスがフォローに入ります。

田中さん
当社も営業の役割としては同じですが、その後リニューアルセールスという既存の営業部隊にお客さまを引き継ぐ工程を挟んでいます。新規の営業が目標数字を持ちながら既存のお客さまをフォローしていると、どうしても既存のお客さまの優先度が下がってしまうので、今は完全に分離しています。


——Q.カスタマーサクセスでは継続率を追いかけたとしても、フィールドセールスでは受注率や契約数を追いかけていると思います。フィールドセールスに正しい顧客に販売してもらうために、どんなKPIを設定されていますか?

品川さん
まだ厳密にKPIの設定ができているわけではありませんが、フィールドセールスは、受注率や受注数だけを見るのではなく、その後の継続率を見る、インサイドセールスは商談作成数だけでなくその後の受注率も意識する、など後工程の数字もKPI設定に組み込むのが重要だと考えています。

田中さん
当社ではそれを実現するために、自部門だけでなく後工程の数字もKPIとして持つような形になっています。例えば、契約期間内に中途解約されたら営業がマイナスの数字を持つといった感じですね。
ただ、それだけでは部門間で「お前のせいで目標を達成できなかったよ」とギスギスしてしまうので、ミッションに立ち返る取り組みを定期的に実施したり、お客さまに提供したい価値について全社で考える機会を作ったり、といった工夫をしています。

 
——Q.カスタマーサクセスが持っている情報をどうやってセールスの武器として活用していますか?

田中さん
1つは、お客さまがどんなプロセスでどんな成果を上げているのかを記事化した事例コンテンツを作って、社内のチャットツールで発信しています。もう1つは、サクセスしているお客さまに、自社開催のセミナーに登壇していただいています。

品川さん
すごく地味ですが、カスタマーサクセス部隊はCRMにお客さまの情報をひたすらメモしているので、フィールドセールスはそれを見ていますね。「明日こういうお客さまのところに行くのですが、カスタマーサクセスで持っている良い事例があれば、教えてください」とフィールドセールスが聞きに来ることもあります。
週1でカスタマーサクセスとフィールドセールスでミーティングをして、サクセスしているお客さまの情報を共有する場を設けたりもしています。


カスタマーサクセスがこれからのマーケティングにとって、いかに重要な役割を果たしているのか実感できたのではないでしょうか。

 

ネットワーキングパーティーでゲストと交流



イベントの後は恒例のネットワーキングパーティーです。
生・おきゃく名物の「鰹のたたき」(ビッグビート代表・濱口の出身地である高知より直送)は、毎回大好評!和やかなムードのなか、お酒を片手に、ゲストと参加者という垣根を超えて楽しい交流を行いました。






社内で孤軍奮闘しているマーケターのみなさん、ぜひ生・おきゃくにお越しいただき、課題を共有し合いながら、悩みを解消する糸口を見つけてみませんか?
ゲストの講演を聴くだけでなく、直接交流できるのも生・おきゃくの醍醐味です。次回の生・おきゃくの開催をお楽しみに!


 
「生・おきゃく」って?「おきゃく」とは、土佐弁で「みんなで集まり、飲んで食べて踊り、歌い、楽しい時間を共有する」という意味。
当社代表である濱口の出身地・高知県にちなみ、BtoBマーケターの方が集い、ナレッジを共有したりみんなで課題や悩みを話したりするコミュニティを「おきゃく」と名付けました。

現在、BtoBマーケター約500名が集うFacebookコミュニティ「おきゃく」を運営すると共に、実際に集まって、課題や悩み、ノウハウや事例をライブで共有するイベント「生・おきゃく」を定期的に企画・開催しています。

~生・おきゃくの2つの約束~
1. 「勉強になりました」で終わらせず、FacebookやTwitterを使って、気付いたことを必ずアウトプットする
2. 質問や疑問は全員の前で問いかけ、共有する
 
 
 

 

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